【「名誉殺人」への支持、若者にも 中東ヨルダン】
中東ヨルダンの首都アンマンで、家名を汚すとされる行為を行った女性を親族が殺害するいわゆる「名誉殺人」について10代の男子のほぼ半数、女子の5人に1人が「正当化できる」と考えていることが明らかになった。英ケンブリッジ大学の研究チームの調査結果による。
同研究チームは、アンマンに住む10代の男女850人以上を対象に調査を実施。結果は研究誌「アグレッシブ・ビヘイバー」上で20日に発表された。
「一族の名誉を汚す」とされる行為は、婚前交渉や不倫、結婚していない相手の子供を妊娠すること、親族でない男性と交流することなどさまざまだ。
その制裁として行われる犯罪には、殺人のほか、暴行や強姦、顔に酸を浴びせるなどがある。
アンケートに参加した若者たちに名誉殺人にあたる状況を示したところ、全体では33.4%が「支持」もしくは「強く支持」すると答えた。
支持する考えを示したのは男子で46.1%、女子でも22.1%に達した。
また、教育水準が最も低い層では6割が名誉殺人を容認する考えを示した。大学卒の家族がいる場合、この割合は2割となった。
きょうだいの数が多いほうが、名誉殺人を容認する傾向が強いという結果も出た。
研究を行ったマニュエル・アイズナー教授は、「名誉殺人を支持する中心的な層は、教育水準が低く伝統的な家庭出身の男子だった。
だが女子や教育水準の高い層、また信仰心の低い層でも、半数には満たないがかなりの数が名誉殺人を支持している。社会で広く支持が残っていることがうかがえる」と指摘する。
研究によれば、ヨルダンでは名誉殺人の長い伝統がある。ただし近年では、名誉殺人を取り締まる法律が強化されてきているという。
ソース:CNN
記事元:【ヨルダン】「名誉殺人」への支持、若者にも[13/06/21]