1 :◆qQDmM1OH5Q46:2016/05/28(土)10:28:41 ID:???
【あのリッチなサウジアラビアがギリシャ化している
財政危機脱出には原油価格の持続的な上昇が不可欠 (藤 和彦)】
(略)
◆IOU発行を検討、サウジアラビアに流動性の危機?
原油価格の長期的な低迷は世界の産油国に深刻なダメージを与えている。筆者が最も心配しているのはやはりサウジアラビアである。
5月19日付ブルームバーグは、サウジアラビア政府は請負業者への未払い金の一部を清算するために
借用証書(I owe you、以下「IOU」)の発行を検討していると報じた。
サウジアラビア政府は歳入の9割を占める原油価格が急落したため、外貨準備の取り崩しや国内外の
金融機関からの借り入れで資金のやりくりをしてきたが、請負業者への支払いも2015年後半から停止していた。
請負業者は最近一部の支払いを現金で受け取ったが、残額はIOUで支払われることになるという(総額は400億ドルか)。
請負業者が受け取るIOUは、債券のような形をとり、償還まで保有することも、銀行に売却することも可能であるとされている。
しかし、貨幣の発行権限がない政府が政府紙幣まがいのもので支払いを行うというのは、緊急避難的な措置以外のなにものでもない。
筆者がIOUと聞いて最初にピンと来たのは、俳優のシュワルツネッガーが知事を務めていた米カリフォルニア州のことである。
リーマンショック後の2009年7月、財政赤字の解消に向けた予算についての合意が至らないまま新年度を迎えた米カリフォルニア州は、知事が財政非常事態宣言を発令。手元資金の枯渇を防ぐため、一部の支払いを停止し、将来の支払いを約束するIOUの発行に向けた作業を始めていた。
IOUの目的は同州が発行していた一般財源債の保有者などに支払う現金を確保するためだったが、万策尽きた州政府が「最後の手段」に手をつけようとしていた。
その後、IOUが話題になったのはギリシャだった。
2015年4月、欧州中央銀行(ECB)は、ギリシャが債務不履行に陥った場合、公務員の給与をギリシャ政府はIOUで支払うことを検討していた。
ギリシャが債務不履行となり、ギリシャの銀行へのアクセスを制限されるような事態が生じても、公務員の給与をIOUで政府が支払っておけば、ギリシャ政府は緊急対応に必要なユーロを手元に残しておけるというわけだ。
この2つのケースから分かるように、政府がIOUの発行を検討するという事態は、まさに「流動性の危機」という状況である。
5月14日、米格付け会社ムーディーズは、サウジアラビアの長期発行体格付けを1段階引き下げた。世界で最もリッチな国の1つであるサウジアラビアが流動性の危機に陥っているのだろうか。にわかに信じがたい話である。
(以下略)
ソース:JB PRESS
記事元:【国際】あのリッチなサウジアラビアがギリシャ化している [H28/5/28]
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【あのリッチなサウジアラビアがギリシャ化している
財政危機脱出には原油価格の持続的な上昇が不可欠 (藤 和彦)】
(略)
◆IOU発行を検討、サウジアラビアに流動性の危機?
原油価格の長期的な低迷は世界の産油国に深刻なダメージを与えている。筆者が最も心配しているのはやはりサウジアラビアである。
5月19日付ブルームバーグは、サウジアラビア政府は請負業者への未払い金の一部を清算するために
借用証書(I owe you、以下「IOU」)の発行を検討していると報じた。
サウジアラビア政府は歳入の9割を占める原油価格が急落したため、外貨準備の取り崩しや国内外の
金融機関からの借り入れで資金のやりくりをしてきたが、請負業者への支払いも2015年後半から停止していた。
請負業者は最近一部の支払いを現金で受け取ったが、残額はIOUで支払われることになるという(総額は400億ドルか)。
請負業者が受け取るIOUは、債券のような形をとり、償還まで保有することも、銀行に売却することも可能であるとされている。
しかし、貨幣の発行権限がない政府が政府紙幣まがいのもので支払いを行うというのは、緊急避難的な措置以外のなにものでもない。
筆者がIOUと聞いて最初にピンと来たのは、俳優のシュワルツネッガーが知事を務めていた米カリフォルニア州のことである。
リーマンショック後の2009年7月、財政赤字の解消に向けた予算についての合意が至らないまま新年度を迎えた米カリフォルニア州は、知事が財政非常事態宣言を発令。手元資金の枯渇を防ぐため、一部の支払いを停止し、将来の支払いを約束するIOUの発行に向けた作業を始めていた。
IOUの目的は同州が発行していた一般財源債の保有者などに支払う現金を確保するためだったが、万策尽きた州政府が「最後の手段」に手をつけようとしていた。
その後、IOUが話題になったのはギリシャだった。
2015年4月、欧州中央銀行(ECB)は、ギリシャが債務不履行に陥った場合、公務員の給与をギリシャ政府はIOUで支払うことを検討していた。
ギリシャが債務不履行となり、ギリシャの銀行へのアクセスを制限されるような事態が生じても、公務員の給与をIOUで政府が支払っておけば、ギリシャ政府は緊急対応に必要なユーロを手元に残しておけるというわけだ。
この2つのケースから分かるように、政府がIOUの発行を検討するという事態は、まさに「流動性の危機」という状況である。
5月14日、米格付け会社ムーディーズは、サウジアラビアの長期発行体格付けを1段階引き下げた。世界で最もリッチな国の1つであるサウジアラビアが流動性の危機に陥っているのだろうか。にわかに信じがたい話である。
(以下略)
ソース:JB PRESS
記事元:【国際】あのリッチなサウジアラビアがギリシャ化している [H28/5/28]
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