中東のヨルダンで16日、燃料価格の値上がりに抗議する大規模なデモが行われ、デモ隊から異例ともいえる国王の退位を求める声が上がり、緊張が高まっています。
ヨルダンでは去年、チュニジアやエジプトなど中東の各国で反政府デモが広がってから、物価の高騰や高い失業率などに抗議するデモが頻繁に起きています。
今月13日には、政府が財政赤字を削減するために、暖房や調理用のガスなどの燃料価格を最大でおよそ50%値上げすることを発表したことからデモが拡大し、16日も首都アンマンでおよそ3000人が参加する抗議活動が行われました。
デモ隊は「国王は去れ」などとスローガンを叫び、国家元首であるアブドラ国王の退位を公然と求めました。ヨルダンでは公の場で国王を批判することは違法なため、デモ隊から国王の退位を求める声が上がったことは異例の事態で、首都アンマンでは緊張が高まっています。
事態を受けアブドラ国王は来週、予定していたイギリス訪問を急きょ取りやめています。中東では反政府デモがヨルダンのような王制や首長制を敷く国々にも飛び火していて、今後、民主化を求める動きがさらに広がるか注目されています。
画像:アブドラ国王
ソース:NHK NEWS
記事元:【ヨルダン】 「国王は去れ」 物価高騰や失業率などに抗議するデモ隊、国王の退位を求める異例の事態に [11/17]